秘密の沖-シークレットオフショア

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2013年03月


銀行預金者に巨額の負担を押し付けるという前代未聞の離れ業によってキプロス危機は何とか回避収束できる見込みになりました。
しかし、銀行預金の1/3以上が非居住者ロシアマネーといわれるキプロスにとって、むしろ本当の危機はこれからなのかも知れません。
キプロスは、ソ連崩壊直後から資金逃避先として急激にロシアマネーが流入し、それをてこに国際金融立国としての地位を獲得してきたという経緯があります。つまり、ロシアあってのキプロス。それだけに、今回の「高額預金者への多額の負担強制」は、キプロスにしてみればいわば踏み絵のようなものだったでしょう。


ただ結果として、キプロスは苦渋の選択とはいえ高額預金者の預金へ高額課税(強制徴収)という方針を決断しました。
これにより、キプロスからロシアマネーが流出するのは、ほぼ間違いありません。


さて、ロシアマネーはキプロスからどこへ向かうのでしょうか?


EU加盟国であるキプロスが、ロシアとヨーロッパを繋ぐ役割をしていたとすれば、代替国もEU加盟国であり、キプロスのように金融に力を入れているオフショア国であることが望ましいと考えられます。
特に、EUの金融商品市場指令 (MiFID: Markets in Financial Instruments Directive)に基づく単一パスポート制(あるEU加盟国でライセンスを取得すると他の域内国でも有効になる)を利用したビジネスを展開している場合は、同じビジネスモデルが適用される国に移転する可能性があります。
具体的には、ロシア資本が入っているキプロスのFXブローカーは拠点を移す可能性があると思われます。


マルタ


地中海のミニ国家、マルタ。EU加盟国であり、ユーロ通貨圏。公用語は英語。
FXDDがアメリカの規制を嫌って拠点をマルタに移したのと同じように、キプロスからマルタに拠点を移すFXブローカーが現れるかも知れません。


ルクセンブルク


EU圏の国際金融センターといえばルクセンブルク。プライベートバンクの中心地であり、世界的に名だたる銀行が集中しています。
ビジネスは関係なく資産保全目的でキプロスに資金を置いているロシアの富裕層はルクセンブルクのプライベートバンクに資金を移すかもしれません。


ラトビア


バルト三国の1つ、ラトビア。まだユーロ圏ではないもののEU加盟国。
ラトビアは歴史的にロシアとの結び付きが強く、ロシア語話者が非常に多いのが特徴。そのため、キプロスからロシアマネー逃避先として有力候補に上がっています。
ただ、ラトビアはユーロ圏への加盟申請を決定したばかりということもあり、他のユーロ圏から心証の良くないロシアマネーの受け入れには慎重になっています。


ロシア


案外、ロシアに資金が戻るかも知れません。
ソ連崩壊・ロシア成立からすでに20年以上が過ぎ、現在のEUヨーロッパ諸国に比べれば自国ロシアの方が安全だ、という考えが出てきてもおかしくはありません。


はてさて、金融立国オフショア・キプロスはこのまま終わってしまうのでしょうか?
キプロスは、地理的には北にトルコ、東に中東、南にエジプト、アフリカ諸国と今後成長が期待できる国々に囲まれているというアドバンテージがあります。これを上手く活用出来れば、十分復活の見込みはあるとみています。
例えば、これらの国々の株式や債券を取引できるオフショア証券会社を作ることが出来れば非常に面白いのではないでしょうか?
ルクセンブルクのTD Direct Investing International(旧Internaxx[インタナクス]証券)が日本居住者の新規口座開設を取りやめてしまったので、これに代わるオフショア証券業者がキプロスに設立されれば、日本人クライアントにとっても朗報になると思うのですが…。


香港やマカオの銀行は、中国のオフショア部門的なイメージがありますが、中国本土(メインランド・チャイナ)の銀行にもオフショア口座が開ける銀行があります。
勘違いしやすいですが、外国人が旅行の際にパスポートを提示するだけで開ける一般の口座とは違います。


中国本土の銀行でオフショア口座を開くメリットとしては、



  1. 中国国内の為替規制を受けない

  2. インターネットバンキングで中国国外から口座管理可能

  3. 中国と対立する国(日本を含めた資本主義国家)に対して情報開示しない(したがらない)

  4. 中国はいわゆる「オフショア国」とみなされない

  5. 日本円、米ドル、ユーロ、スイスフランなどマルチカレンシー対応(対応通貨は各銀行に依る)


が挙げられます。


個人向けのプライベートバンクとしてのサービスはもちろん、オフショア法人(BVI、セーシェル、ベリーズなど)が法人口座を開くことも可能です。


もともと、中国の経済特区・深センの銀行がオフショア口座サービスを展開し、次第に運用面を整備しながら国際金融センターを目指す上海の銀行にもオフショア口座サービスが広がって行きました。
このような経緯から、オフショア口座を開くことが出来る銀行は深セン上海に集中しています。


オフショア口座を提供している主な銀行は、



  • 招商銀行(China Merchants Bank ):深セン系 中国初のオフショアバンキングサービス提供銀行

  • 交通銀行(Bank of Communications):中央政府系

  • 上海浦東発展銀行(Shanghai Pudong Development Bank):上海系

  • 平安銀行(Ping An Bank):中国最大手保険会社の1つである平安保険傘下の銀行

  • 深セン発展銀行(Shenzhen Development Bank):平安保険傘下だったが、平安銀行に吸収統合された


があります。


交通銀行は、PayForex24時間以内着金サービスを活用できるのでオススメです。


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イギリスは世界的金融センターのロンドン・シティを擁し、非ユーロ圏でありながらEU加盟国。
イギリス法人の持つ信頼性は高く、金融業として考えれば世界トップレベルであることは間違いありません。


しかし、イギリス法人は法人税 24%(2013年4月からは23%)。
来年4月にはさらに1%下がり 22%になるとはいえ…。


イギリス大英帝国の高い信頼性を備えたまま非課税法人が作れたなら・・・。


ここで朗報!
あるんです!
非課税イギリス法人が!


それが、UK LLP (UK Limited Liability Partnership)


え?LLP?有限責任事業組合?「組合」じゃないの?
いいえ。イギリスのLLPは「法人」なのです。


パートナーシップなのに法人格を持っている、というのも妙な感じですが、それがUK LLPの特徴です。


LLPの構成員をメンバー(Member)と言いますが、株式会社でいえば「役員(Director)」と「株主(ShareHolder)」を兼ねた存在です。
日本のLLPを含め、多くの国のLLP(もしくはLP)は、最低でもメンバーの1人(社)は居住者(現地法人)であることを要求されますが、UK LLPは非居住者(外国法人)のみのメンバー構成でOKです。


LLPの最大の特徴である課税システム「パススルー課税」も当然適用されるので、UK LLP自体は非課税法人になります。


つまり、UK LLPのメンバーに非課税のオフショア法人を入れるとUK LLP の課税対象が各オフショア法人メンバーにパススルーされ、非課税のイギリス法人が出来上がるというわけです。


UK LLP



  • 法人格: あり(イギリス法人)

  • メンバー: 最低2名or2社(居住地・登録地は問わない)

  • マネージングディレクター(代表者): 最低1名or1社(居住地・登録地は問わない)

  • 総会(取締役会に相当): 世界中どこでも可

  • 登記所在地: イギリス

  • 営業事務所: 世界中どこでも可

  • 課税: 非課税(メンバーにパススルー)

  • 租税条約: LLPは租税条約対象外

  • 年次会計報告: 必要(メンバーにイギリス居住者が居ない場合は簡素な手続きでOK)


オフショア法人としての UK LLP


LLPメンバーや従業員、取引先、銀行口座、営業拠点(オフィス)、バックオフィス、その他恒久的施設がイギリス国内にない場合、UK LLP は完全にイギリス国外で活動するオフショア法人(非居住会社)となります。
事業内容によっては、これが非常に大きな意味を持ちます。

オフショア法人で、貸金業(ローン、リース、キャッシング)サービスの金融ライセンスを取得することができます。
これにより、文字通り合法的に貸金業ができるようになります。


他の金融ライセンスで行う事業の多くは、オフショア法人にお金が流れる事業ですが、貸金業はオフショア法人からお金が流れます。
(もちろん、それは貸付資金であるため、いずれは返さなければならないお金ですが)


キャッシュ・フローが、【海外 ⇒ 国内】になり、しかもそれは【負債】。
これが意味することは極めて重大ですよネ。

http://rt.com/business/russia-offshore-medvedev-601/


キプロスをオフショアとして利用してきたロシアは、いまキプロス問題を契機に、新たに自前のオフショアゾーンを創設することを計画しています。
その場所の候補地がサハリンや千島列島であり、いわゆる北方領土も含まれます。


北方領土問題が絡むため、日本居住者にとってこの計画の行き先は非常に気になるところです。


北方領土を含む千島列島はサハリン州管轄で、日本との時差は2時間。もし北方領土がオフショア化されれば、日本人にとって地理的に近い場所に新しいオフショアエリアが生まれることになります。
しかし、国際法上未帰属地である北方領土がロシアのオフショアゾーンとなり、仮に北方領土法人というものが設立可能になった場合、いったいどのような税務処理がなされるのか全く未知の世界。日本政府からすれば、北方領土で設立された法人は日本法人であるという見解を示すかも知れません。


いっそ、攻殻機動隊(イノセンス)に出てくるロシアと日本の主権がぐちゃぐちゃな択捉経済特区の現出に至ってくれると非常に面白いと思っています。

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