香港法人を利用した所得隠し!?

 中堅のAV機器メーカー「オリオン電機」(福井県越前市)が、タイの現地法人で製造したテレビなどの売り上げの一部をタックスヘイブン租税回避地)の香港にあるペーパーカンパニーに付け替えていたとして、金沢国税局から2006年3月期までの7年間で約120億円の所得隠しを指摘されていたことがわかった。

 同社と香港の会社との間に資本関係はなかったが、同国税局では「オリオン電機が実質的に支配していた」と判断し、追徴課税した。追徴税額は重加算税を含めて40億円前後とみられ、同社は修正申告した。

 オリオン電機は国内外のメーカーから委託を受け、タイや米国などにある従業員150〜4000人規模の製造拠点でOEM(相手先ブランドによる生産)を手がけている。「ORION」の自社ブランドでも液晶テレビなどを生産・販売しているが、OEMが売り上げの大半を占めている。

 関係者によると、同社は部品を調達したうえで、タイの現地法人「コラートデンキ」などでOEM品を生産。メーカーに卸す際に、オリオン電機が受け取るべき代金の一部を香港の会社の口座に振り込ませてプール、税務申告を怠っていた。香港では、法人は海外で発生した所得には課税されないため、香港の会社も申告していなかったという。

 香港の会社は、金沢国税局が06年〜07年に行った税務調査で浮上。オリオン電機で資金の出入りを管理し、事務所もなく、営業実態もないペーパーカンパニーだったことから、同国税局では、利益を付け替える「受け皿」として使われたと認定。7年前までさかのぼって、利益の全額について所得隠しを指摘したという。

 オリオン電機は1958年設立、07年3月期のグループ総売上高は3200億円。矢野栄幸社長(59)は取材に「税務調査は受けたが、会社内部のことを外部に話すつもりはない」と回答している。

読売新聞より引用

年間約17億円の所得を隠すのに香港でペーパーカンパニーというのは・・・・。