スイス金融大手クレディ・スイスは14日、日本で富裕層向けに金融サービスを提供するプライベート・バンキング(PB)事業を40人体制で開始したと発表した。10億円以上の金融資産を保有する富裕層顧客の獲得を目指す。

同社は、昨年7月にUBS証券でウエルス・マネジメント部長を務めていた谷淳也氏を引き抜き、日本でPB事業に参入する計画を公表した後、準備を進めてきた。日本の富裕層マネーをめぐっては、国内大手銀のほか、スイス金融大手のUBSや仏金融大手のソシエテ・ジェネラルなど複数の外資系金融機関が顧客獲得競争を展開しており、クレディ・スイスはこうした先発組を追うことになる。

日本でPB事業を統括するクレディ・スイス銀行東京支店プライベート・バンキング本部長の谷氏は、PB事業に関する記者会見で「日本では後発だが、世界中では長い間PB事業を提供し、ノウハウを蓄積している。日本でも長い伝統に裏付けられたブランドを訴えていけば、必ずマーケットシェアを取れる」と述べた。

顧客の開拓などで国内金融機関と提携する可能性について谷氏は「オープンな姿勢で取り組んで行く」としたものの、当面は営業担当者の人脈などを生かして独自に顧客の開拓を目指す方針を示した。

クレディ・スイスPB部門の世界全体の預かり運用資産残高は、3月末現在で8087億スイスフラン。日本での受託資産目標や事業の黒字化のメドなどについては公表しなかったが、同社PB部門最高経営責任者のワルター・ベルクトールド氏は「グローバルでは新規の受託資産を年間6%増やすことが目標となっている」と説明した。

クレディ・スイスグループは、1999年まで日本のクレディ・スイス信託銀行を通じて富裕層ビジネスを小規模で行っていたが、損失先送り商品の販売などでグループの在日拠点が行政処分を受けたことを機に撤退した経緯がある。

http://jp.reuters.com/article/domesticEquities2/idJPnTK028083020090514

クレディ・スイスは、名前の中に「スイス」が入っているのが大きいですね。
まだまだ、スイスブランドは健在ですから。