海外送金をした際に、銀行によっては着金から口座反映まで数日のタイムラグが発生することがあります。

「着金」から「口座反映」の間に、なぜ時間が掛かるのか?という素朴な疑問が沸いてきますよね?

すべてがそうではありませんが、受取側銀行が「着金(送金)額を把握するタイミング」と「実際に口座にその数字が反映されるタイミング」にズレが生じる場合、それはSWIFT(スイフト)メッセージの扱いによるものかも知れません。

ある程度、外国送金の経験がある方なら、銀行(金融機関)同士の情報のやりとりがSWIFTメッセージを通じて行われていることをご存知でしょう。
少なくとも、送金先の情報として、SWIFTコードというものを目にすることが多いと思います。

このとき、
送金元銀行(A) → 中継銀行(B) → 受取銀行(C)
というように、間に「中継銀行」という存在が介在するケースがあります。

中継銀行は、一つではなく、
送金元銀行(A) → 中継銀行(B) → 中継銀行(C) → 受取銀行(D)
のように複数介在することもあります。

送金を実行すると、まず
送金元銀行 → 受取銀行
MT103 という書式のメッセージが送信されます。
これは、いわば「ウチの銀行からアナタの銀行に○○ドル送るからよろしくね」という挨拶メッセージです。送金処理等の事務スピードが要求される一般の市中銀行では、このMT103を受け取ったらすぐに受取人の口座に反映させることが多いです。
しかしながら、実は、この段階では受取銀行は送金元銀行からの振り込みを受けていないことがほとんどです。つまり、銀行から受取人の口座に一時立替入金を行っていることになります。

MT103は、送金元銀行から受取銀行宛に送られますが、中継銀行を使用する場合には、MT103の他に中継銀行(コルレス銀行)宛に MT202 という書式のメッセージが送られます。

受取銀行がオフショアバンクの場合、指定の中継銀行が決まっている場合があり、MT103を受け取った時点で、すぐに口座反映させないケースがあります。
この時点では、銀行によってプロセス名は異なりますが、「入金処理中」という扱いになります。「着金する金額は把握したけれど、まだ実際に振込を受けてないからもう少し待って下さいね」という状態です。受取銀行であるオフショアバンク側は、MT103メッセージによって、送金処理の事前予告を受け取るので「いくらの資金が送金されるのか」という情報は把握出来るもの、途中の中継銀行レベルで資金移動拒否や何らかのトラブルが発生した場合は、実際に受取銀行側に資金が振り込まれないので、リスク回避という観点からMT103メッセージ受領時点で、受取人の口座に資金反映させないことがあるわけです。

とはいえ、本当の意味での資金振替完了まで待っていたのでは、さすがに時間が掛かりすぎるため、直近の中継銀行から送られる MT202 もしくは MT103メッセージの受領を確認出来たら受取人の口座に反映させます(着金完了&口座反映)。

あまり規模が大きくないオフショアバンクやプライベートバンクでは、このような入金処理(プロセス)を経ることがあるため、焦らず口座反映完了を待ちましょう。