そもそも、ガンビアってどこにあるかご存知ですか?
西アフリカ西岸に位置し、西は北大西洋に面し、ガンビア川の河口を除いた全土をセネガルに取り囲まれている国です。
と言っても、ガンビア川やセネガルが分からないとどうしようもないですね。
↑つまりはここです。
ガンビアは2013年までイギリス連邦加盟国なだけあって、公用語は英語です。
さて、そんなガンビアを舞台とした『銀行設立詐欺』とも言える事件が現在進行中です。
元々、ガンビアの銀行ライセンスを所管するのはガンビアの中央銀行(Central Bank of the Gambia)です。
ちなみに、現在ガンビアには以下の銀行が存在しています。
- Standard Chartered Bank (スタンダードチャータードバンク)
- Trust Bank (トラストバンク)
- Mega Bank (メガバンク)
- Arab Gambia Islamic Bank (アラブ・ガンビア・イスラム銀行)
- First International Bank (ファーストインターナショナルバンク)
- Guaranty Trust Bank (ギャランティ信託銀行)
- First Bank Nigeria (ファーストバンク・ナイジェリア)
- Access Bank (アクセスバンク)
- Ecobank (エコバンク)
- Banque Sahelo-Saherienne Pour L'investissement et commerce (BSIC)
- Skye Bank (スカイバンク)
- Zenith Bank (ゼニスバンク)
ところが、同じくガンビアの銀行として、MarVinBank(マーヴィンバンク)なる銀行が存在しています。
↓ どうやら銀行ライセンスも持っているようです。
(クリックで拡大)
ガンビアのオフショア区域である『エンタープライズ・ゾーン(Enterprise Zone)』発行の銀行ライセンスを持つオフショアバンクだそうです。
ところが・・・
先頃、ガンビアの法務省から下記のようなアナウンスが発表されました。
http://www.moj.gov.gm/ministry-of-justice-press-release-companies
ガンビア・オフショア法人登記業務を一手に引き受けていると謳っている『icommerce registry (http://www.icommerceregistry.com/)』は、ガンビア政府とは何ら関係が無く、そこで設立されたオフショア法人やライセンスの類いは一切無効である、というものです。
では、もう一度先ほど ↑ のライセンスを確認して見ましょう。
なんと、ガンビア法務省がまさに指摘したライセンスではないですか!
実は、格安でガンビアオフショア銀行を設立します というサービスは、ウェブ上で見つかります。中には、日本で宣伝しているサイトまであります。
http://www.buybanknow.com/japanese/
例えば、↑ ここですね。
オフショアバンクを最安プランで僅か 350万円程度でセットアップ出来るそうです。
いやいや、いくら何でもそんなコストで銀行は無理でしょう!
でも、ライセンス(のようなもの)はきちんと発行されますし、オフショア特区のようなエリアで発行される銀行免許に基づいた銀行です、と言われると、何も知らないお客さんはコロッと欺されてしまうかも知れませんね。
そう、この銀行設立詐欺は、銀行を設立する人が騙される詐欺ではありません。
この銀行のようなものを銀行と思わせ、オフショアバンク口座開設者(お客さん)からお金を集める為のツールとして使いたい詐欺師達のための詐欺サポートサービスです。したがって、この詐欺の被害者は、この詐欺ライセンスに基づいて設立された銀行に預金してしまった顧客なのです。
詐欺師は基本的に頭が良いので、350万円程度で本物の銀行が設立できるなどと最初から信じてはいません。350万円で買うのは、限りなく銀行に見える銀行のようなものです。そう考えればかなり安い買い物です。
そして、かわいそうなのは、この銀行のようなものを本物の銀行と信じて預金してしまう世界中のお客さん達です。
しかしながら、綺麗なウェブサイトやパンフレットを使って営業されて、気がついたときには被害者続出、というのが何度も繰り返されてきた悲しい現実です。
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