秘密の沖-シークレットオフショア

仮想通貨 オフショア法人設立 オフショア銀行に口座開設 タックスヘイブン 海外送金 海外ニュースについての備忘録

カテゴリ: オフショア法人(OffshoreCompany)

「オフショアバンク」は、大雑把に定義付けるとすれば、その国の国民・居住者を顧客とせず、また、その国の通貨を扱わないものの、その国の銀行免許を持つ銀行である、と言えます。

その国の国民・居住者と、その国の通貨を扱わないので、つまりはその国の経済自体に影響を及ぼさないように設計されているため、規制が緩和されていることによって銀行業としての自由度が高く、為替管理の成約も無いというのがオフショアバンクの一般的な特徴と認識されています。

ところが、外貨専門の銀行ということは、その外貨(USDやEURやGBP、あるいはJPY等)を監督する国・地域から銀行免許を取得するか、その外貨を扱う別の銀行と提携しないと送金業務が出来ない、ということになります。

一番確実なのは、その外貨を自国通貨として監督する国に「外国銀行」として登録することですが、これは同時に一番ハードルが高い方法である、とも言えます。ところが、その国の中央銀行にただ預けておく供託金だけでも数十億円相当の資金を用意しなければならないのでこれは容易ではありません。

そこで、多くの場合、別の銀行と提携し、その銀行を「中継銀行」として送金業務を行うことになるのですが、ここ最近はこの「中継銀行」が厄介な存在になってきています。

パナマ文書事件以降、明らかに「中継銀行」は (1) オフショアバンクとの中継銀行業務から撤退 (2) チュ系銀行業務は継続するものの、コンプライアンスチェックを大幅に引き上げる、のいずれかの対応になっています。時々、オフショアバンクが特定の通貨(ほとんどは USD ですが)の入出金が出来なくなるのは、今まで利用していた中継銀行が突然使えなくなったから、という理由が多く、その場合は、その銀行がオフショアバンクとの中継銀行業務から撤退した、というパターンであると考えられます。あるいは、中継コストを大幅に引き上げられ、コスト面から契約を打ち切らざるを得ないというケースもあるでしょう。

いま現在、中継銀行として使用されている(残っている)銀行は、コンプライアンスチェックを厳しくすることによって中継銀行業務を継続するパターンです。

この場合、オフショアバンクとしては自由に資金移動と管理ができることを謳っていても、実際の資金移動を中継する銀行がコンプライアンスチェック厳格化に伴う対応をするため、「送金元は誰なのか」「送金目的は何なのか」「それらを証明するものは何か」という具合に、非常に面倒な対応を要求されます。これらは、中継銀行側が受取先のオフショアバンク側に要求しているものであるため、オフショアバンクとしてはその銀行を中継銀行として使用している限りはどうしようもありません。

これらのことを踏まえ、スムーズな送金を行うための理想的な形は、同じ名義の口座をオンショアの銀行に開設し、その銀行から同一名義人同士の資金移動という形でオフショアバンクに送金する形態です。同一名義人同士の資金移動は、コンプライアンスチェックのハードルが格段に下がるので効果的です。
デメリットは、オンショアの銀行にオフショア法人の口座を開くということが、別途それなりに難しいということですが、背に腹は代えられないという状況であれば、腹をくくって対処するしかありません。
特に、節税目的でオフショア法人とオフショアバンクを使いたい人にとっては、ますます難しい局面が増えており、それに伴って必要コストもアップしている状況です。そうなると、普通に税金を払った方が安いのではないか?と思えるケースも多いのでなかなか悩ましいところです。

過去記事に記載のオフショア法人(銀行口座付き)売却案件については、当時の法人は既に成約済みのため現時点では取り扱っておりません。

また、現在、このブログ上でオフショア法人の売却案件を直接取り扱うことは致しておりません(あくまで情報提供のみ)。


*過去記事記載の法人売却案件についてのお問い合わせを頂くことが多いため、ここに改めてご案内させて頂きます。

一部、個人名等をマスキングしています

質問

ケイ様

突然のメール、失礼いたします。

N○○札○○○局の記者、○○○○と申します。
私は現在、オフショア法人の関係で取材していることがあり(パナマ文書とは直接関係はありません)、いろいろと調べる中でケイ様のブログを見つけ、興味深く拝見しました。

伺いたいことは様々あるのですが、中でもBVI政府公認エージェントについては、今取材している内容に関連しており、ぜひ勉強をさせていただきたいと思っております。

主に知りたい点としましては以下の通りです。
仝認とはどういうことか?公認されると何が違うのか?
▲─璽献Д鵐箸隼篏馮番号との関係性
ケイ様が書かれていた「私書箱番号からどのエージェントを使用したのか調べることも可能」というのはどのような方法なのか?
ぅ屮蹈阿脳匆陲気譴討い訐擬哀─璽献Д鵐醗賤はどうしたら調べることができるのか?

急なお願いで大変恐縮ですが、お力を頂けると幸いです。よろしくお願いいたします。

N○○札○○○局
記者 ○○○○


回答

,砲弔い

政府公認というのは、政府から営業免許(この場合は会社登記についてのライセンス)を得て営業しているエージェントです。
日本で法務局が担当している商業登記業務を、政府が発行した免許をもった民間企業に委託している、というイメージで考えると分かりやすいです。
つまり、民営化された法務局=政府公認エージェント です。

△砲弔い

エージェントと私書箱には特に深い関係性はありません。ただ、エージェントは、自社の郵送先所在地(Mailing Address)として私書箱(PO Box)を良く使用します。

について

エージェントが自らの事務所の郵送先に使用している所在地(Mailing Address)と、そのエージェントが設立担当した法人の登記所在地(Registered Address)は多くの場合、一致します。一般的には、法人登記には私書箱のアドレスは使用出来ませんが、政府公認(ライセンスを持った)エージェントが登記手続きをすることで、例外的にオフショア法人は私書箱住所で登記できます。
「私書箱番号からどのエージェントを使用したのか調べることも可能」というのは、登記されたオフショア法人の多くは、登記所在地(私書箱住所)をそのまま使用している(Web上に掲載する等)ことが多いので、その住所と同じ私書箱を使用しているエージェントが多くの場合、そのオフショア法人を設立担当しているであろう、と類推できます。

い砲弔い

BVIのオフショア法人設立業務ライセンスは、BVI金融サービス委員会(FSC)の管轄ですので、BVI FSC のウェブサイトに掲載されています。

南ドイツ新聞に持ち込まれた一通の暗号化されたメールからそれは始まった

まるで小説か映画の冒頭を思われるシチュエーションから始まるオフショア業界最大のリークは、パナマの法律事務所Mossack Fonseca(モサック・フォンセカ)からでした。

その流出ファイルの量たるや、データサイズにして 2.6テラバイト。文書の数にして1150万点。流出した法人情報は200の国・地域の個人・法人に繋がる214,000法人。南ドイツ新聞は国際調査報道ジャーナリスト連合ICIJ)と一年前から共同で分析作業にあたり、ICIJから各国のメディアに公開されました。

このパナマ文書には、プーチンや習近平などの大物政治家、メッシやジャッキー・チェンの関係会社も含まれているため過去のオフショアリークの時よりも衝撃度が大きく、そのため、各界に今後少なからず影響が出てくることは必至。
習近平に至っては、「汚職撲滅の旗頭が資産隠しか!」という批判も出かねず、中国の経済失速から不安と相まって新たな混乱の火種になりそうな勢いです。

ICIJ の パナマ文書特設ページ
https://panamapapers.icij.org/

英BBC パナマ文書特集ページ
http://www.bbc.com/news/world-35934836

英紙ガーディアン パナマ文書特集ページ
http://www.theguardian.com/news/series/panama-papers

USA no thank you

国際基軸通貨として、米ドル vs ユーロの構図が語られて久しいですが、今なお実質的に基軸通貨と呼べるのは米ドルしかない状況です。

それでも、かつてよりも明らかに力の衰えたアメリカ=軍事力の低下は、その必然として米ドルの国際的信用力の減衰を招き、ひいては基軸通貨としての地位低下につながりかねない事態が現実的に進行中です。

米ドルが唯一の基軸通貨としての地位を失った場合、アメリカという国が瞬く間に凋落するであろうことは容易に想像出来ます。当然、アメリカはそのような事態に陥ることを防ごうと手を打ってきますが、今のところオバマ政権の対応が上手くいっているようには思えません。
オバマ政権は、何か問題があるとすぐにドル決済停止措置やVISA・MasterCard取引停止措置を持ち出しますが、かつてのような唯一の経済大国かつ軍事国家(事実上の世界政府)であればいざ知らず、現在ではかえって"ドル離れ"、"アメリカ離れ"を引き起こしています。

最近、HSBC香港で法人口座を開設された方なら分かるかも知れませんが、業務内容にアメリカとの関連性が認められると、口座が開けない可能性があります。具体的な理由は分かりませんが、これも"アメリカ離れ"の一旦と見て取れます。
ロシアは、クリミア半島編入の際、VISA・MasterCardの利用停止措置という経済制裁を受けています。この時、アメリカ企業であるVISA、MasterCardが経済制裁としてカード利用停止を行う可能性があるというリスクを現実化させてしまいました。これにより、ロシアは中国・銀聯のような独自決済ネットワーク構築の模索を始めました。
スイスのクレディ・スイスは、アメリカの富裕層の脱税を幇助したとされる問題でその罪を認め、約2900億円の罰金を支払うことになりました。スイス国民の反米感情が高まれば、現在スイス政府がイランでアメリカ大使館としての領事事務を代行しアメリカの窓口となっていますが、この役割を拒絶する事態に発展しかねません。
フランスのBNPパリバは、最近、アメリカと9100億円規模の制裁金支払に同意したことがニュースで話題となりましたが、フランスが属するEU諸国はドル決済のリスクの高さを目の当たりにすることになり、今後、アメリカ国籍以外の国(例えば、アジア諸国)との取引には、ユーロや人民元での決済を推進するかも知れません。

今のところ、すぐにドルがユーロや人民元に置き換わるということは無いと思いますが、アメリカが自らを孤立化させるような政策をとり続ける限り、将来のポスト・米ドルを模索する動きは加速していくと思われます。ただ、現時点で、ユーロや人民元は、決済通貨としてはまだまだ通用力に問題が多いので、どうしても米ドルベースで動かざるをえない部分が大きく、"ドル離れ"が進みつつあるといってみても、実際には完全にドルからは離れられません。
それはクレディ・スイスやBNPパリバが巨額の罰金を支払ってでも、アメリカ国内での銀行免許を維持しようとしたことからも窺い知れるところです。当面の間、米ドルや対アメリカとの取引について非常に神経質な対応を求められることになるでしょう。
つまり、米ドルが絡む決済(送金)や銀行口座開設が、間違いなくますます面倒になる、ということです。

国際取引、国際決済が必須のオフショアツール利用者にとっては、まったく頭の痛い問題です。

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