オンラインカジノは、言い換えれば「インターネット賭博」です。


ラスベガスやマカオのカジノがインターネットで楽しめる、という感じで10年ほど前から日本でも一部の人たちに認知されたサービスです。
NHKの特集番組でも取り上げられたことがあり、「インターネット黎明期のオンライン賭博」的な内容が印象的でした。


日本にもオンラインカジノブームがあったのですが、クレジット決済入金が制限されたり、銀行送金が難しくなったり、その他いろいろな理由から2005年頃から陰りが見え始め、2006年にはすっかりブームの終焉を迎えてしまいました。


現在でも、一部の固定ファンは存在しているため、完全に"終わった"サービスではありませんが、以前ほどホットなコンテンツとは言えなくなってしまいましたね。


そんなオンラインカジノですが、実店舗型カジノと同様に、営業するためには賭博ライセンスが必要で、ゲーミングライセンスギャンブリングライセンスと呼ばれています。


ところが実店舗カジノのある国では法律でオンラインギャンブルが禁止されていることがほとんどなので、オンラインカジノのライセンスはオフショアの国々で発行されます。
有名なところでは、ジブラルタル、マルタ、コスタリカ、マン島などがライセンス発行国として挙げられるでしょう。


最近では、パチンコのオンラインカジノも登場しており、欧米型のカジノスタイルに囚われない新しいカジノゲームが登場しつつあります。


一方日本では、DeNAやグリーに代表されるようにソーシャルゲームがブームです。
その勢いは、DeNAが球団を所有するに至った事実からも推し量ることができるでしょう。
ところが、ここへ来て「ソーシャルゲーム」は単なるオンラインゲームなのか、という疑念が顕在化してきました。


ソーシャルゲームは一見インターネット上で遊ぶ単なるコンピューターゲームのように見えますし、事実多くの人がそう考えていますが、次のような特徴があります。



  • ゲームの内容は、キャラクターやストーリーが少々異なるものの、基本的にはみな同じような様式を備えている。

  • 有料ガチャ、と呼ばれるアイテム課金は、大当たりを引き当てるために大金を使わせる仕組みである。

  • ゲーム中で使用される仮想通貨は、現実世界の通貨と交換できる(RMT:リアルマネートレード市場が存在している)。


私たちは、これらの要素を備えた娯楽を既に知っています。そして私たちはそれを単なるゲーム(遊戯)とは認識していません。


三菱UFJモルガン・スタンレー証券が発行したレポートによれば、従来「ソーシャルゲーム=オンラインゲーム」とカテゴライズしていたものを、今後は改めると発表しました。
ソーシャルゲームは今後「パチンコ」と同一視する、と彼らは言っています。


パチンコは、一応特殊な環境下で「合法」とされてはいますが、内容は明らかに賭博(カジノ)です。
ソーシャルゲームが、実質的に賭博であるパチンコと同一視されるということは、ソーシャルゲームが賭博と同一視されることを示唆しています。


この問題を突き詰めていけば、ソーシャルゲームは近い将来、「インターネットで楽しむ賭博ゲーム」と認知され、オンラインカジノライセンスが必要な事業になる可能性があります。


日本では、パチンコという例外はあるものの、賭博は刑法で禁止されているので、今の形のソーシャルゲームは日本では違法になるかも知れません。
海外でも、インターネット賭博の一種と見なされれば、「オンラインカジノ」として扱われるでしょう。


このような事情を踏まえ、もしソーシャルゲーム業者が事業をもっと拡大したいと考えているなら、今のうちに事業の拠点を海外に移し、オンラインカジノライセンスを取得すべきだと思います。
そして堂々と、リアルマネートレード(RMT)市場を開設し、より"リアル"な仮想世界を提供すれば良いのではないでしょうか?


ドラゴンを倒して生活費を稼ぐことが出来るようになれば、正真正銘プロの「ドラゴンバスター」が多数誕生するでしょうし、仮想世界毎に異なる通貨を流通させるRMT取引所を整備すれば、仮想通貨のFX市場が誕生するかも知れません。


もう、そこまで行くと、コンピュータネットワーク上にもう一つ別の経済圏が誕生することに近いのですが、遅かれ早かれそういうものが実現化するだろうと考えています。
いや、もしかしたら既にそういう世界が構築されつつあるのかも。