アメリカFBIからはテロリスト扱い(エコテロリスト/環境テロリスト)され要監視対象となっている環境保護団体グリーンピース、そしてグリーンピースメンバーだったポールワトソンが、より過激な組織(実際に、アイスランドの捕鯨船を撃沈した実績あり)を目指して新たに設立したシーシェパードなど、ちょっと物騒な鯨愛護団体がここ2週間ほど活動を活発化させ、ニュースや新聞の紙面を彩っていました。

鯨の権利を認定・主張するあたりから、すでにカルト宗教のような雰囲気を漂わせているわけですが、(幹部連中はさておき)ボランティアメンバーは敬虔な信者のごとく、心から自らの行いを正しいと信じて活動しているわけですから始末に負えません。


このように、これらの団体を環境保護団体ではなく宗教団体と捉えると、信者(ボランティア)からのお布施(寄付金)で成り立つ宗教法人グリーンピース(もしくはシーシェパード)としてのイメージが浮かび上がります。


食材として鯨肉が市場に出回ると困るオージービーフ業界関係者や自然派食品メーカー、アウトドア用品メーカーは、たんまりとお布施をするわけですね。
いまは、鯨愛護キャンペーンをして資金を出してくれるパトロンがいるのでグリーンピースは、日本のような捕鯨国に対して「生かさず殺さず」的な活動を行っています。
反捕鯨国と捕鯨国とが、ちょうど釣り合うくらいの状態が、グリーンピースにとってベストな状態ですから、バランスが保たれます。

過激派シーシェパードにも、パトロンがおり、アウトドア用品で有名なパタゴニア社もそのうちの1つ。
ただ、シーシェパードは、活動内容が過激過ぎて、スポンサー企業にも批判の声が殺到することが多いため、今後継続的に寄付金で運営するのは難しいと思われます。
そのような背景があるためか、シーシェパードは、鯨やイルカの虐殺シーンを撮影した写真や動画を世界中から買い集めています。
具体的には、和歌山・太地でのイルカ猟や鯨の虐殺シーンが撮影されたものでもっとも出来の良い作品には1万ドルを進呈するキャンペーンを行っています。

今後は、他の動物愛護団体に、キャンペーン用画像や動画を提供するコンテンツプロバイダとして生き残る作戦かも知れません。


さて、ここまでは前置きです(長いですね)。

平和のため!自然保護のため!動物愛護のため!というスローガンは、寄付金を集める大義名分として強烈な効果を発揮するわけですが、おそらくそこに落とし穴があります。

偽の寄付金募集サイトの誘発です。

グリーンピースにせよ、シーシェパードにせよ、いわゆる非政府組織は寄付金を集めているのが一般的ですし、上記2団体くらい知名度が上がればますます募金活動がしやすくなるのは誰でも分かるところです(だからこそ、パフォーマンスも過激になるわけですが)。
そうなれば、それらの知名度に便乗した詐欺が横行することになろうことも容易に想像がつきます。


分かりやすいところでいえば、偽の反捕鯨サイトを作り寄付金を集める募金詐欺です。
グリーンピースのサイトを模したサイトを作れば、フィッシング詐欺サイトの完成です。

アンチ・グリーンピース派に対しては、捕鯨船支援組織を名乗って募金活動するかも知れません。


ところで、捕鯨を本当に止めさせたいのなら「食物連鎖の頂点にいる鯨には有害な水銀が蓄積されている」というメッセージを消費者に流し、市場での商品価値を下げればよいこと。市場で処分が出来なければ、わざわざコストを掛けて鯨を捕るなんてことをするわけがありませんからね。

パフォーマンスを盛り上げ、多額の寄付金を集めるのは、どちらかといえばショービジネスではないですか?