うみのむこう 銀行 法人 ライセンス

2009年01月

「市場の懸念再び?」

∨…総合

 国際通貨基金(IMF ) が、09年世界の成長率見通しを戦後最低の0・5%とし、11月時点での2・2%から大幅に下方修正した。この先、景気回復の時期やペースは、各国政府の政策手段により大きく依存してこよう。

 そんななか打ち出された事業会社への公的資金注入策。産業再生法を改正、日本政策投資銀行などから数千億円規模を出資するという。たしかに、08年の上場企業倒産件数は、過去最高の34件。海外でも、大手製造業への政府支援の動きもあり、自然の流れとする向きもあろう。ただ、産業再生機構がダイエー、カネボウなどを支援した05年当時とは環境が異なる。政府の損失もなく、企業再生に成功した、という成功体験を再び味わえるとは限らない。


∨…国内株式

 私募不動産ファンドのパシフィックHDの債務超過発表には驚かされた。日銀による投資法人債の適格担保化で一息ついたJ―REIT市場が動揺したのは言うまでもない。今回、監査意見不表明となった同社。中国企業からの資金調達計画も実質的に頓挫し、資金繰りが立ち行かなくなる可能性が高い。不動産流動化事業や分譲事業がメインの新興不動産会社の決算内容にはこの先も要注意だ。


∨…為替

 トリシェECB総裁が言うように、たとえインフレが抑えられていようが、今週の政策金利に変更はないだろう。とはいえ、次回3月に利下げして、そこで「休止」となるのかに注目だ。ユーロ/円のチャートでは、昨年秋以降のレンジ下限を明確に下抜けてはいないが、今後、10月安値113・70円水準を下放れる動きともなれば、1ユーロ=100円という節目が気にされてくるかもしれない。(和千)


 自力再建を断念した道内最大の百貨店「丸井今井」(畑中幸一社長)は29日、札幌地裁に民事再生法の適用を申請し、開始決定を受けた。負債総額は約502億円。一方、三越伊勢丹ホールディングス(HD)はHD傘下の伊勢丹による営業支援を継続し、出資などの経営支援を検討すると発表した。三越札幌店と丸井今井を傘下に置く地域会社を設立する案も浮上している。

 丸井今井によると、札幌本店は営業を継続、函館、旭川の2店舗は営業を継続しながら採算性を検討する。従業員計1511人は希望退職などを募り削減する。畑中社長は記者会見で「未曽有の不景気で資金繰りが悪化し、このまま事態を放置すれば資金繰りがショートする。最悪の事態を回避するため(民事再生法の)開始決定を受けた」と述べた。

 畑中社長は三越伊勢丹HDに営業支援継続とスポンサー就任を要請した。伊勢丹は05年、2度目の経営危機に陥った丸井今井に営業担当の役員を派遣。06年には5億円を出資するなど再建を支援し、現在は丸井今井株の13%を保有している。

 丸井今井は88年、4代目社長に就任した創業家出身の今井春雄氏が経営多角化を推進し97年1月期に年商1320億円を計上した。一方で今井氏が手掛けた不透明な海外不動産投資が失敗に終わり、97年にはメーンバンクだった北海道拓殖銀行の破綻(はたん)をきっかけに経営危機が表面化した。

 05年には会社を新旧に分割。札幌本店と旭川、函館の主力3店による新会社が、伊勢丹と「北海道企業再生ファンド」、地元金融機関の支援を受ける形で再建に取り組んでいた。しかし消費低迷に加え大丸の札幌進出が追い打ちとなり、08年1月期の売上高は前期比7.7%減の815億円、当期赤字は43億円を計上。08年12月末時点で少なくとも5億5225万円の債務超過に陥った。

 丸井今井は1872(明治5)年、今井藤七氏が今井呉服店として札幌で創業。1919(大正8)年に株式会社化。主力3店と室蘭のほか、かつては小樽、苫小牧、釧路の計7店を展開した。【仲田力行、立山清也、小倉祥徳】

1月27日(ブルームバーグ):日本銀行の白川方明総裁は27日午後、都内で講演し、コマーシャルペーパー(CP)や社債など民間の金融資産の買い入れについて、中央銀行が個別金融市場や個別企業の信用配分に強く介入するようになると、現在はそれなりに正常に機能している市場が機能を低下させるという「逆説的な結果をもたらしかねない」とした上で、日銀の買い入れる額が「大きいほど効果があるというわけではない」と述べた。

日銀は22日の金融政策決定会合で、CPの買い入れを総額3兆円を上限として3月末まで時限的に実施するとともに、残存期間1年以内の社債の買い入れについても検討することを決定した。白川総裁が講演を行ったのは、日本国内で活動する外資系金融機関の業界団体である国際銀行家協会(IBA)のフォーラムで、演題は「国際金融危機の下での外国金融機関」。

白川総裁は外国金融機関のシェアが「外国為替取引については、2007年4月に行われた直近のサーベイで67%、デリバティブ市場の取引は68%に上るとの結果が示されている」と指摘。外国金融機関のウェートが高まるということは「以前に比べて、海外の金融市場や金融機関の動向が進出相手の経済にも影響を与える程度が増大しているということも同時に意味している」と述べた。

具体例として「ここ数年、外国金融機関はわが国の不動産市場における有力な資金供給主体だったが、07年の秋ごろから外国金融機関の不動産ビジネスは急速に縮小に向かい、わが国不動産市場の取引の低下をもたらした」と指摘。また、外国金融機関はこれまで証券化ビジネスなど、国内の金融機関の取り組みが必ずしも十分でない分野で大きな存在感を有していたが、「流動性制約が厳しくなるにつれ、このプレゼンスにも変化がみられている」と述べた。

 国際金融危機の教訓

さらに、昨年9月の米リーマン・ブラザーズの破たん以前は、国債市場やスワップ市場において「ヘッジファンドを含む海外の投資家が裁定行動を通じて市場流動性を供給する役割を果たしていた」が、破たん以降は「リスクテイク能力の低下から裁定活動が不活発となり、市場流動性は大きく低下した」としている。

白川総裁は国際金融危機の教訓として、母国以外で活動する外国金融機関の流動性管理の体制を構築することの重要性を指摘。「流動性はいつでも必ず調達できるわけではない」とした上で、「調達源として相対的に安定性の高い一般顧客からの預金の重要性があらためて認識される」と述べた。また、外国で活動する金融機関にとって、進出国で一般顧客からの預金を獲得することは容易ではないため、「自国通貨を他国通貨に変換する為替スワップ市場が正常に機能していることが極めて重要となる」と語った。

 北京市建設委員会、地方税務局などの部門は23日、「不動産市場の健全な発展・実施を促進する意見」(以下「意見」とする)を共同で発布。この意見では、開発事業者が資金繰りが困難で期日通りに土地の支払いができない場合、実際の状況に基づき延期を許可するとした。「新京報」が伝えた。

 北京では昨年11月に新たな不動産政策が打ち出されたばかり。この2カ月で2回の不動産政策が打ち出されたことになる。北京市建設委員会の担当者によると、新政策は自宅購入と居住条件の改善を目指す住宅消費を奨励・サポートし、不動産市場の自信を鼓舞し、ミドルクラス市場の発展を促進するねらいがある。

▽外国人の住宅購入制限を取り消しへ

 今回の意見で、今年1月1日から12月31日の期間、外国人が北京で住宅を購入する際の居住年限と住宅購入規制が一時解除となった。

 北京では07年、「外国人は北京での滞在期間が1年を超えれば北京で自宅用の分譲住宅を1軒購入できる」「住宅購入後、貸し出したり、譲渡することはできない」などの規定が通達された。「簡単に言うと、外国人は北京で一人一軒しか家を買えないということ。当時の不動産価格は急スピードで値上がりしていて、政府は海外の資金が住宅の値上がりに加担するのを抑えようとしていた」と中原不動産華北地域の李文傑総経理は話す。この規制措置が打ち出される以前は、北京での不動産取引のうち、外国人によるものは7―8%だったが、規制以降、0.5%にまで落ち込んだという。

 東京証券取引所と大阪証券取引所の上場投資信託(ETF)の2008年の売買高が、過去最高になったことが、23日分かった。日本では知名度の低さなどから売買が伸び悩んでいたETFだが、金融危機による株安を、好機と判断した個人投資家の積極的な売買が続いている。

 ETFは、価格が日経平均株価などの株価指数や商品指数に連動する投資信託で、証券取引所に上場されており、株と同様に取引できる。東証に58銘柄、大証に11銘柄が上場している。

 08年のETFの売買高は、東証(海外の運用会社が組成した3銘柄を除く)が前年比18.0%増の22億2226万口、大証は同82.9%増の2億6721万8000口で、それぞれ過去最高だった05年と07年を更新した。売買代金も、大証が同6.4%増の2兆5378億9100万円と過去最高となった。東証は同8.7%減の2兆4017億円で前年を下回ったが、4年連続で2兆円を超える高水準を維持している。

 昨年は、9月のリーマン・ショック以降の株安局面で、ETFの取引が急増した。「個人投資家による将来の値上がり期待の購入が増えた」(東証)。さらに、ETFは、東証1部全銘柄の値動きを示す東証株価指数(TOPIX)や日経平均と連動するため、特定の銘柄の値動きで運用成績が左右される株式投資よりも、リスクが分散できると判断して、ETFを選ぶ投資家が増えたとみられる。

                   ◇

【予報図】

 ■銘柄、顧客拡大で市場育成を

 売買高が伸び、日本でもようやくすそ野が広がってきた感のあるETFだが、海外の取引規模は日本とはけた違いだ。日本のETFの資産残高が昨年12月末現在で、2兆5245億円なのに対し、米国は同10月末時点で5400億ドル(約48兆円)で、株式市場の1日当たりの平均売買高の40%近くをETFが占める。

 この世界との差を埋めるため東証は、10年度までに現在からほぼ倍増の100銘柄を上場させる目標を掲げる。ただ、意気込む証券取引所の足元をすくいかねないのが、個人投資家に急速に広がる投資のIT(情報技術)化だ。ネット証券を通じて海外のETFを購入する個人投資家が増えている。海外ETF取り扱い銘柄トップの楽天証券によると、「2008年12月の海外ETF月間売買代金は、07年12月比で55%増」と急増した。

 個人投資家が、海外ETFに向かうのはなぜなのか。ETF世界最大手の英BGIグループの日本法人、バークレイズ・グローバル・インベスターズの関塚健太郎取締役は「流動性が圧倒的に違う」と指摘する。海外ETF市場では、1日当たり東証1部全銘柄の売買代金の約10倍前後に匹敵する売買が行われている。日本の売買はTOPIXや日経平均連動型など一部に集中し、「価格がなかなかつかなかったり、上場廃止のリスクを抱えた銘柄もある」(市場関係者)状況だ。

 投資家層の違いも大きい。関塚氏は「海外では機関投資家がETFを積極的に利用するようになって、飛躍的に流動性が高まった」という。一方、日本では、機関投資家がETFの設定には参加するが、自ら投資することは少ない。これまで一般の投信ファンドにはETFの組み込み比率に制限すらあり、今月にようやく撤廃されたが、機関投資家の動向が注目される。

 金融商品取引法の改正で、日本でもETF組成の制限はかなり緩和されたが、幅広い投資家を呼び込む市場環境を整えない限り、国内ETF市場の発展も望めない。(阿部賢一郎)

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