うみのむこう 銀行 法人 ライセンス

2015年04月

日本から香港(HSBCなど)や大手の国際銀行宛に送金する際にはあまり意識することはありませんが、オフショアを含む小国にある銀行に送金する場合には、受取側の銀行から 中継銀行 を指定されるケースがあります。

中継銀行とは、文字通り「中継地点」であって「送金先(受取銀行)」ではありません。実は、この「中継銀行」というものに慣れていない場合に、送金先口座情報として、この中継銀行の情報を指定しまう事例が多発しています。


例えば、
送金元銀行: 日本の銀行
中継銀行: アメリカの銀行
送金先銀行: ブラジルの銀行
という例を考えてみましょう。

この場合、海外送金を飛行機に例えると分かりやすいです。

つまり、あなたは自分の子どもを、日本からアメリカの空港を経由して、最終目的地のブラジルに旅行させる、と考えて下さい。

この場合、旅行する子どもに持たせるべき航空チケットは、
日本発 - アメリカ経由 - ブラジル行き
のチケットです。

しかし、間違えて中継銀行を送金先に指定しまった場合は、「ブラジルまで行ってらっしゃい〜」と言いつつ、
日本発 - アメリカ行き
のチケットを渡すようなものです。

その結果、間違ったチケットを渡されたあなたの息子(娘)は、とりあえずアメリカまでは来ることが出来るものの、そこで迷子になります。

もしチケットの裏(送金指示書の備考欄)に最終目的地の住所(本来の受取銀行のSWIFTコードと口座番号)が記載されていれば、もしかしたら無事に目的地にたどり着けるかも知れません。

しかしながら、初めから最後目的地までのチケットを渡す場合と比較して、かなりの苦労をするであろうことは想像に難くありません。
親であるあなたも心配で心配で夜も寝られなくなることでしょう。


教訓 -


大切なお子様に旅をさせる場合には、是非正しいチケットを渡してあげましょう。

FACTA(ファトカ)とはアメリカの税法である「外国口座税務コンプライアンス法」(Foreign Account Tax Compliance Act)の略称です。米国人が海外口座を使って租税回避を行うことを阻止するため、米国人が米国外に所有する金融口座の情報を捕捉し、米国外の金融機関に報告義務を課すことが主な内容です。

FATCA 外国口座税務コンプライアンス法

このFATCAは、事実上、全世界の金融機関全てを対象とする極めて面倒な法律であり、金融機関としては、政府間の取り決めや米ドルを取り扱うための都合上従わざるを得ないものです。これにより、否応にもコンプライアンスコストが跳ね上がるため、事業収益の圧迫原因となります。

FACTAは、2014年7月から運用されていますが、ここへ来て明らかに銀行の運営方針の転換例が目立ってきました。

この運営方針の転換というのは、つまり銀行にとってあまり旨味の無い小口顧客の排除です。

例えば、HSBC香港で銀行口座を開けにくくなった、というのは1つの具体例でしょう。

原因がFACTAにある限り、もちろん口座開設ハードルが引き上げられているのはHSBC香港だけではありません。その他の銀行も徐々に口座開設のハードルが上がってきています。

口座開設のための必要書類や提出情報が増える、というケースもありますし、口座開設時の最低預入金が引き上げられるという例もあります。

また、米国FATCAに限らず、欧州EUにおける金融商品、サービス、市場に関する規制を定めた金融商品市場指令(MiFID)の大幅な見直し[MiFID II]によるコンプライアンス規制強化もますます口座開設難化に拍車を掛けるでしょう。

日本の当局が日本人の海外への資金移動を規制しなくても、徐々に世界の側が入り口を閉ざしつつある状況です。
そして、日本国内でマイナンバー制が完全稼働すれば、ますます資金移動は困難を極めるであろうことは明かです。

気がついたときには籠の中、というのは何とも恐ろしい事態ですね。

最近は、海外発行のカード(クレジットカード、デビットカード)の種類も増え、また、海外発行クレジットカード対応のATMも増えてきたこともあり、給与・コミッション・FX口座出金用などの用途で採用する事業者も増えてきています。

国際デビットカード

非居住者でも発行されるカードは、カード先進国のアメリカか金融立国のイギリスの事業者が発行するカードが大半です。

ただ、この2カ国は、国家による個人情報収集に熱心な国でもありますので、金融プライバシーの点を重視したい人にとっては、出来れば避けたい国でもあります。特にウェブサイトが日本語化されている業者は、一見すると日本人顧客にとってはユーザーフレンドリーではありますが、当然ながら例の官公庁の職員も巡回しているわけですから、プライバシー重視の顧客にとっては後から一網打尽にされる危険がある業者と言えます(海外のFX業者が日本語ページを作成した途端に日本の金融庁から激烈な指導がなされるのが良い参考例です)。

条件さえ合えば、情報保全をウリにするオフショア発行カードを選択したいところですが、マネーロンダリングに使われやすいオフショアと、やはりマネーロンダリングに使われやすい国際デビットカードやクレジットカードの組み合わせは非常にデリケートな部分であるため、大量発行(数千〜数万単位のカード発行)に対応できるオフショアのカードプロバイダ(主に銀行)が少ないのが現状です。

もし、オフショアFXブローカーサービスやオフショアファンドビジネスを展開しようと考えている事業オーナーであれば、出金戦略としてオフショア発行カードをセットするところまでアレンジ出来れば、金融機密保全に気を遣う富裕層をターゲットにできるでしょうね。

今まで出ていなかったこと自体がむしろ不思議ですが、東京地裁が

「円天」と呼ばれる疑似通貨を使った「L&G」(破産)の巨額詐欺事件に絡み、・・・元役員ら10人に加え、多くの会員を勧誘した古参会員24人についても勧誘者」としての責任を認めた
http://news.biglobe.ne.jp/domestic/0330/ym_150330_2641813789.html

古参の勧誘者が責任を負わされる、というのは、刑法で云えば共謀共同正犯の論理に近いでしょうか?

世の中に星の数ほどある詐欺のようなうさんくさい投資話には、必ず初期のスタートアップ時期に大活躍するトップリーダーと呼ばれる人達がいますが、運営者側の人間で無くても、今後は賠償責任を取らされる可能性が出てきたということですね。

このページのトップヘ