うみのむこう 銀行 法人 ライセンス

2018年11月

「オフショアバンク」は、大雑把に定義付けるとすれば、その国の国民・居住者を顧客とせず、また、その国の通貨を扱わないものの、その国の銀行免許を持つ銀行である、と言えます。

その国の国民・居住者と、その国の通貨を扱わないので、つまりはその国の経済自体に影響を及ぼさないように設計されているため、規制が緩和されていることによって銀行業としての自由度が高く、為替管理の成約も無いというのがオフショアバンクの一般的な特徴と認識されています。

ところが、外貨専門の銀行ということは、その外貨(USDやEURやGBP、あるいはJPY等)を監督する国・地域から銀行免許を取得するか、その外貨を扱う別の銀行と提携しないと送金業務が出来ない、ということになります。

一番確実なのは、その外貨を自国通貨として監督する国に「外国銀行」として登録することですが、これは同時に一番ハードルが高い方法である、とも言えます。ところが、その国の中央銀行にただ預けておく供託金だけでも数十億円相当の資金を用意しなければならないのでこれは容易ではありません。

そこで、多くの場合、別の銀行と提携し、その銀行を「中継銀行」として送金業務を行うことになるのですが、ここ最近はこの「中継銀行」が厄介な存在になってきています。

パナマ文書事件以降、明らかに「中継銀行」は (1) オフショアバンクとの中継銀行業務から撤退 (2) チュ系銀行業務は継続するものの、コンプライアンスチェックを大幅に引き上げる、のいずれかの対応になっています。時々、オフショアバンクが特定の通貨(ほとんどは USD ですが)の入出金が出来なくなるのは、今まで利用していた中継銀行が突然使えなくなったから、という理由が多く、その場合は、その銀行がオフショアバンクとの中継銀行業務から撤退した、というパターンであると考えられます。あるいは、中継コストを大幅に引き上げられ、コスト面から契約を打ち切らざるを得ないというケースもあるでしょう。

いま現在、中継銀行として使用されている(残っている)銀行は、コンプライアンスチェックを厳しくすることによって中継銀行業務を継続するパターンです。

この場合、オフショアバンクとしては自由に資金移動と管理ができることを謳っていても、実際の資金移動を中継する銀行がコンプライアンスチェック厳格化に伴う対応をするため、「送金元は誰なのか」「送金目的は何なのか」「それらを証明するものは何か」という具合に、非常に面倒な対応を要求されます。これらは、中継銀行側が受取先のオフショアバンク側に要求しているものであるため、オフショアバンクとしてはその銀行を中継銀行として使用している限りはどうしようもありません。

これらのことを踏まえ、スムーズな送金を行うための理想的な形は、同じ名義の口座をオンショアの銀行に開設し、その銀行から同一名義人同士の資金移動という形でオフショアバンクに送金する形態です。同一名義人同士の資金移動は、コンプライアンスチェックのハードルが格段に下がるので効果的です。
デメリットは、オンショアの銀行にオフショア法人の口座を開くということが、別途それなりに難しいということですが、背に腹は代えられないという状況であれば、腹をくくって対処するしかありません。
特に、節税目的でオフショア法人とオフショアバンクを使いたい人にとっては、ますます難しい局面が増えており、それに伴って必要コストもアップしている状況です。そうなると、普通に税金を払った方が安いのではないか?と思えるケースも多いのでなかなか悩ましいところです。

過去記事に記載のオフショア法人(銀行口座付き)売却案件については、当時の法人は既に成約済みのため現時点では取り扱っておりません。

また、現在、このブログ上でオフショア法人の売却案件を直接取り扱うことは致しておりません(あくまで情報提供のみ)。


*過去記事記載の法人売却案件についてのお問い合わせを頂くことが多いため、ここに改めてご案内させて頂きます。

このページのトップヘ