オフショア法人を保有する場合、大きく2つの目的があります。
一つは、事業用
もう一つは、資産管理用です。


事業用は、文字通り事業用途で使用します。
貿易事業、ウェブサービス、コンサルティング、その他いろいろ。


資産管理用というのは、いわゆる富裕層や資産家が自己の資産を管理・運用するためのものです。
一般的に、資産管理会社というものですね。


この資産管理会社ですが、プライベートバンク口座のような資産管理を目的とする口座を開設する場合は問題ありませんが、HSBCなどの商業銀行(コマーシャルバンク)に口座を開こうとする際にはなかなか面倒です。
商業銀行の場合、基本的に事業用の口座を開くことになるので、資産管理会社ではあっても事業の内容を説明しなければなりません。大手の銀行であればあるほど法人の事業内容をチェックされます。とはいえ、例えばFX投資を法人名義で行うために設立したオフショア法人だとしても「FX投資運用目的の法人です」という説明では口座を開いてくれません。何かしら、もっと口座の出入りが発生するような事業を求められます。
そこで、実際は資産管理・資産運用を目的とする法人であったとしても、何かそれらしい事業計画を考えて、それを口座開設アプリケーションフォームに記入することになりますが、場合によっては、事業を証明する資料も求められますので、例えば仕入れ元への発注書や卸先に対する注文シート、請求書などのフォームの提出が必要になります。
そして、なぜその銀行に口座を開く必要があるのか、という理由も説明しなければなりません。


口座開設コーディネーターが有能であれば大して問題にはならないのですが、あまり銀行口座開設が得意ではないコーディネーターやコンサルタントを通してオフショア法人を設立すると、肝心の口座開設段階でつまづく結果になりがちです。
口座開設に失敗した法人ほど無用の長物はありませんので…。